エロチャット

「わたしは死なない」とエロチャット友達のマイカちゃんが言った。
だが、僕は死にたい。人間関係も構築できず何もかも上手く行かず部屋にこもってエロチャットしている自分を考えると死にたくもなる。
これからの人生、きっと何もない。そんな中でエロチャットサイトでマイカちゃんと知り合えたことには感謝しているが、所詮はテキストでエロワードを並べてオナニーしているだけの間柄である。
僕はマイカちゃんが何者なのかは知らない。正直な話、男か女かもわからない。もしかすると、エロチャットに付き合ってくれているAIなんて可能性もある。僕がエロチャットサイトで相手も見つからずにポツンとしていると向こうから声をかけてくれたと言うだけの存在だ。
彼女が僕の何に興味があったのかわからない。ただ「エロチャットしないと眠れない」と言っていたから、いつでもオンラインしている僕はナイトキャップには最適なのだろう。現実では半径1メートル以内に近づくと食べ物が腐るとまで言われている僕でも、インターネット越しのエロチャットならセックスすることもできる。
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そんな時に僕はふと「死にたい」とマイカちゃんに漏らしてしまったのだ。その答えが「わたしは死なない」なのだ。ただ、その後に「死なないことも選択なら、生きないことも選択だね」と言っていたから僕の気持ちを否定しにかかっているわけではないようだ。意思表示としての「死なない」なのである。
それから、マイカちゃんとエロチャットする日々は続いた。生きない選択をしかかった僕だが、まだ生きている。マイカちゃんとのエロチャットが生きがいなわけではない。たまたま、生きている間はマイカちゃんとエロチャットしているという話だ。この行為は何の意味があるのだろう、とチャット上でマイカちゃんをイカせながら考えてみる。
ふと僕は思った。実は僕は死なないためにエロチャットしているのではないか、と言うことだ。マイカちゃんの「わたしは死なない」の意味は、実は自分と同じであることを知ったのだ。「まだ私たち生きてるよね」と、行為が終わった後、チャット越しにマイカちゃんがほほ笑んだ。
プチ援
裏垢女子